県内有数のユリの産地、魚沼市でユリ栽培を手掛けている鈴木健市さんは、新潟県のユリについて、「県内の産地はどこも高品質のユリを作ろうと切磋琢磨して頑張っていて、一年を通じて品質の良いユリが生産されています。新潟県のユリはいつ、どれを選んでも品質が良いというのが産地・新潟の魅力ですね」と語ります。
ユリは蕾(つぼみ)の状態で出荷し、お客様の元で咲く花。鈴木さんたち生産者は、丹精込めて育てた花が開くところを見ることはほとんど無いそうです。「咲く前の段階で嫁がせるので、蕾が膨らんで、咲いて、見る人が喜んでくださる姿を日々想像しながら育てています。植えてから毎日成長を見守っているので、出荷の時は娘を嫁に出す感覚に近いですが、ずっと緊張感を持って作業しているので、ほっとする気持ちも大きいですね。最近は、SNSを通してお客様の反応が見られるようになり、励みになっています」。
ユリは球根を育てるだけでも2、3年かかるなど、1本のユリが届けられるまでには多くの人の手と、多くの時間がかかっていて、込められている想いがより深い花だと思うと話す鈴木さん。「僕たちがユリを届ける最終バッターであり、お客様につながる場所にいるので、込められている多くのメッセージを一生懸命伝えながら、皆さんの元へより良いユリをお届けしたいと思っています」。